しかし、「エンジン」という参入障壁が消えるEV時代には、その程度では安心できない。内燃機関車よりも部品数が30%少なく、組み立ても容易なEV市場には、テスラ、アップル、小米など世界的なIT企業が一斉に参入している。中国では「大陸のテスラ」と呼ばれる上海蔚来汽車(NIO)を初め、小鵬汽車、理想汽車など多くの企業が中国資本の支援を受けて急成長している。
■部品生態系・人員再編など難題山積
部品メーカーのEV転換努力が遅れている点も克服すべき課題だ。韓国自動車研究院によると、国内4500社余りの自動車部品メーカーでEV関連部品を生産しているのは5%にすぎない。一方、米国は部品メーカー5700社のうち20%(約1200社)がエコカー部品を扱っている。韓国ではエコカー分野に4万人が従事しているが、米国では25万人に達する。米国の自動車生産台数(年約1000万台)が韓国(400万台)の2.5倍であることを考慮しても、韓国は計算上少なくとも10万人を確保していなければならない。
韓国の通信インフラは世界最高レベルだが、ソフトウエア技術は遅れている。テスラの競争力の中核と評される無線アップデート技術はEVを統合制御するシステムとOSがあってこそ可能になるが、現代自は量産モデルで「システム統合」ができていない。韓国自動車研究院によると、米国は車両用ソフトウエア人材だけで2万3000人に達するが、韓国は1000人程度にすぎない。