これまで米国、カナダ、ドイツ、南アフリカ共和国など21カ国の男女選手28人が受賞している。アジアでは韓国と日本の選手が1人ずつ栄誉に輝いた。2018年平昌冬季パラリンピック閉会式では、「ファン・ヨンデ功績賞」制定30周年を記念するため、歴代の受賞者5人が出席し、黄氏に感謝牌を手渡した。
一部のIPC加盟国は「黄氏はパラリンピック運動に直接関与したことがない」として、「ファン・ヨンデ功績賞」の名分に異議を唱えてきたと言われる。だが、黄氏が建設の先頭に立った正立会館ではスポーツを障害者リハビリの一手段としてきた。黄氏が副会長を務めた韓国障害者福祉振興会(当時の会長は李健煕〈イ・ゴンヒ〉サムスン会長)はパラリンピック韓国代表選手のトレーニングやパラリンピック派遣を担った。この組織を母体にして2005年に大韓障害者体育会が発足した。大韓障害者体育会の顧問を務めた黄氏は韓国パラリンピックの歴史の生き証人だ。
黄氏は平昌冬季パラリンピック時、「東京パラリンピックは私が直接、賞を授与できる最後の大会になるだろう」と語っていたが、この数年間、アルツハイマー病と闘っていて、体にも心にも疲れが見える。しかし、「ファン・ヨンデ功績賞」がなくなるという知らせを聞き、非常に残念がっているとのことだ。