■「チョ・グク問題」で「中道層獲得」指令
検察の捜査を受けてきたチョ・グク元法務部長官が19年10月14日に辞任してから6日後の10月20日、北は「チョ・グク法務部長官の辞任で動揺する中道層取り込み事業」という指令を発した。北は「中道層が現在の国内の政治状況に対する正しい理解を持つように影響を与えなければならない」とした上で、「現在の事態は保守の復活と政権簒奪(さんだつ)を狙い、ろうそく運動の民意による積弊清算、検察改革の要求に挑戦し始めた保守勢力の企画的な政権奪還策動によって起きた政治的混乱であり、それを傍観すれば中道層も被害を免れないということを広く世論化する」ことを求めた。昨年初めに野党を中心に朴槿恵前大統領の釈放を求める声が上がった際には、「朴槿恵釈放論を契機とする反保守闘争展開」(20年2月10日)と題する指令を発し、「『朴槿恵釈放論』で社会全般に反保守闘争のムードを広めるための事業を組織しなければならない」とした。
■反米・反日の指令も
北は19年2月27-28日にハノイで行われた米朝首脳会談が合意文もないまま決裂した約10日後にそれに関する指令も発したという。北は「まず地域社会の各界が第2回北・米首脳会談に対する正確な認識を持つように世論誘導をしっかりやることが重要だ」とし、「初歩的な礼儀と外交規範も知らず、傍若無人に振る舞ったトランプの連中の白昼強盗のような本性と破廉恥さを掲げ、社会全般に反米、反トランプ感情を広めるための活動も実情に合わせて組織せよ」と命じた。19年8月16日には「反日の民意を利用し、韓米日同盟決裂のための実践活動を展開」することも指示した。