母ウンジュさんは、子どものころから虫1匹殺せないほど気弱な息子がどうして格闘技の選手をしているのか、今でも不思議だという。「私は胸がドキドキして、今までこの目で源鎮の試合を見たことがありません。試合前の計量を通過する時はツバまで全部吐き出し、全身げっそりするほど体を絞ります。とても見ていられなくて、『お願いだから柔道をやめて』と言うと、源鎮は『お母さん、楽しんで。楽しめばいいんです』と笑います。柔道を心から愛しているからこれまで20年間、あのつらい練習に耐えられたのでしょう。私の願いはほかでもない、ただ源鎮が努力した分だけ、東京で思い残すことなく投げることができたら、ということです」
ギヒョンさんとウンジュさんの携帯電話に「スーパースター(ハートマーク)」と登録されている金源鎮は柔道種目初日の24日に日本武道館の畳に立つ。金源鎮の気合いでチームの序盤のムードは盛り上がっている。リオの時、母ウンジュさんは寺で祈っていて息子の試合を見られなかったが、今回は結婚した次女の家で一緒に応援することにした。 「息子よ、絶対に忘れないで。どこにいてもお父さんはあなたと一緒にいるから」