東京五輪:柔道・金源鎮「日本の人形を横に倒した我が父に東京のメダルささげます」

【東京の星】柔道・金源鎮

 金源鎮は東京五輪柔道男子60キログラム級の韓国代表だ。先日、鉄原にある金源鎮の家に再び行ってみた。記者を歓迎してくださった父ギヒョンさんはもういないが、リビングの片隅にあったあの柔道の人形は、ギヒョンさんがした通り、今も横に倒れていた。髙藤には東京五輪の準決勝で会う確率が高い。対戦成績5戦5敗。今まで金源鎮が一度も越えられなかった山だが、今回は越えられるという自信にあふれている。1人で試合の臨むのではなく、天国の父が一緒にいてくれると確信しているからだ。母ウンジュさんは「源鎮だけでなく、アン・バウル(66キログラム級)、安昌林(アン・チャンリム、73キログラム級)、郭同韓(クァク・ドンハン、90キログラム級)、チョ・グハム(100キログラム級)ら、リオの時の代表メンバーたちが東京で5年前の恨(ハン=無念の思い)を晴らしてくると信じています。いつも韓国代表のみんなを息子のように思っていた夫が東京の空で力を貸してくれるでしょうから」と語った。

 金源鎮は携帯電話を見るたび、父の不在を実感するという。「以前は練習をしていてつらくなるたび、父と電話で話して気持ちをなだめましたが、今はもうそういうことはできませんから。父は鉄原の山にある墓に眠っていますが、先月墓参りをした時、父に『東京五輪のメダルを必ずささげる』と誓いました」。リオの時の痛みは一生懸命練習することで打ち消した。「私の感触では、体力・技術・経験ともすべて5年前に比べて今の方がはるかに良いです。何よりも無観客試合になり、日本の選手たちにとって自国開催によるアドバンテージがなくなったので、試合に集中できるようになりました」

■韓国人が選ぶ、最高のスポーツ選手1位は?

東京=ヤン・ジヘ記者 , 東京=キム・サンユン記者
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  • ▲金源鎮(キム・ウォンジン)の父キム・ギヒョンさんが息子の勝利を願って横に倒した日本の柔道の人形。ギヒョンさんは既に亡くなったが、その願いを込めた人形は今も横になったままだ。写真(鉄原)=ヤン・ジヘ記者
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