そのシャーマン氏は昨年「Not for the Faint of Heart(気弱な人向けではない)」と題された回顧録を出版し、自らのことを「10代の時は読書好きで引きこもりがちだった」と明かした。遠い将来、イランのイスラム聖職者たちと軍縮交渉を行うとは考えてもいなかったということだ。シャーマン氏は「オルブライト国務長官のような女性のメンターを通じてワシントンで生き残る方法を体得した」と当時を振り返っている。
国務省は「シャーマン副長官は18-25日の日程で日本、韓国、モンゴルを訪問し、その後は中国で25-26日に王毅外相ら中国政府関係者と会談する」と発表した。今月15日に英国のフィナンシャル・タイムズは「シャーマン副長官は最初から中国を東アジアの訪問先に含めたかったが、中国側が『米国の外交序列2位』のシャーマン氏とは格が合わない外交部序列5位の謝鋒外務次官が対応すると伝えたため、当初は中国を訪問先から除外していた」と報じた。そのためシャーマン氏と王毅外相がどのような形で対面するかに注目が集まっている。
王毅外相は形の上では中国外交部のトップだが、米国は「中国では実質的には共産党が行政機関である国務院よりも上位にある体制のため、王毅外相は外交政策のトップではない」と判断している。そのためトランプ前政権のポンペオ国務長官や現在のブリンケン国務長官は中国の外交政策で司令塔を務める中国共産党の楊潔チ・外交担当政治局員と交渉を行ってきた。そのためシャーマン副長官と王毅外相との会談は双方の外交政策ナンバー・ツー同士によるものということだ。