韓国軍関係者は「感染者と症状が出ている乗組員は船内に設けた空間で隔離している」と説明したが、船内の環境を考えると「1人1室」の隔離は不可能であることから、一般の寝室を使った同一集団の隔離程度しかできないという。症状が出ている乗組員が検査も受けられないまま1カ所に集まっているため、今後コロナの感染が次々と広がる可能性も考えられる。
韓国軍とその周辺では「船内でコロナ患者が数多く発生した日本(原文ママ)のクルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス』や米軍の原子力空母『セオドア・ルーズベルト』の悪夢が文武大王の船内で繰り返されるのでは」との懸念も出始めている。ダイヤモンド・プリンセスは昨年1月、香港で下船した乗客がコロナに感染していたことが確認されたため、日本政府は横浜港に入港した際に乗客の下船を禁止した。その後の1カ月間で3700人の乗客のうち700人の感染が確認され、うち6人が死亡した。昨年3月には米軍の原子力空母「セオドア・ルーズベルト」で1100人の感染が確認され1人が死亡した。
文武大王は現在アフリカ周辺の海域から近くの港湾に移動中だという。しかし現地の港に停泊した場合でも、感染への懸念から乗組員が下船し病院で治療を受けるのは難しいと合同参謀本部は予想している。文大統領は15日に清海部隊で感染者が確認されたとの報告を受けた際「現地での治療体制が不十分な場合、患者を直ちに韓国国内に移送せよ」と指示したが、この指示も現地での深刻な事情を考慮したためだ。