■借金に「バブル」…不安な韓国経済
韓銀は資産価格が上昇した上、昨年1年間に150兆ウォン増加した家計債務(今年3月末現在で1765兆ウォン)の負担も重なる状況が続けば、韓国経済が危機に対応できる耐性が大幅に弱まるとみている。韓銀のイ・ジョンハン・システムリスクチーム長は「資産価格があまりに急速かつ過度に上昇し、その過程で負債が同時に膨らめば、後日資産価格の下落が招く金融リスクはさらに高まる。債務者の返済能力が低下し、延滞リスクが高まると同時に、消費も減少し、実体経済にショックが広がる可能性がある」と指摘した。
韓銀はそうした理由で適切な時期に政策金利の引き上げに踏み切り、過度の債務とバブルを減らす必要があるとみている。李柱烈総裁は11日、韓銀創立記念日のあいさつで、「経済が堅実な回復を続けると予想されれば、現在の緩和的な通貨政策を適切な時期から正常化(利上げ)していかなければならない」と述べた。李総裁は先月の金融通貨委員会後の記者会見でも、条件によっては年内の利上げが可能だとの見方を表明していた。政策金利が上昇すれば、市中金利も同時に上昇するため、新たに借り入れを行うハードルが上がる。一方、既に融資を受けている人は返済額が増え、家計の債務返済負担が増す可能性がある。現在韓国の家計債務の約70%は市中金利が上昇すれば貸出金利も上昇する変動金利ローンだ。金利が1%上昇すると、家計の利息負担は年間12兆ウォン近く増える。