【コラム】AI技術で私教育に立ち向かう韓国の公教育

 正規の授業に人工知能(AI)を導入するソウル大学教育学部付属高校の実験が注目されている理由は、公教育の限界と見なされていた「オーダーメード型教育」の可能性を示しているからだ。今年の2学期から全ての1年生にAI数学チューターアプリを導入するのに先立ち、学校側は先月20日から志望者20人を選んで試験運用を行っている。AIチューターアプリで診断評価を実行すると、生徒各自の水準に合った宿題が毎日3問ずつ与えられ、アプリに記録された回答プロセスを基に、AIが足りない部分を探してオーダーメード型学習の提供を継続するというスタイルだ。先行研究では、このアプリを4カ月間使用した後、平均正答率が15%ほど上がったという。

 AIチューターと対面した生徒たちの間からは「自分で勉強できる道具ができたみたい」という評価が出ている。1年生のキム・ゴンホ君(16)は「授業時間によく分からなくて残していた概念も、AIが自分の呼吸や速度に合わせてまた教えてくれるのがいい。数学の科目だけは塾に行く必要がない」と語った。ヤン・ミンソさん(16)は「いつも一日の最後は塾だったけど、今では学校からもらったタブレットで勉強を終える」と語った。AIが、塾に期待しなくてもいい学習環境をつくり出したわけだ。

 最近ソフトバンク・ビジョン・ファンドから2000億ウォン(約200億円)規模の投資誘致を受けたAI教育企業「Riiid」のチャン・ヨンジュン代表は「AI技術と公教育が出会い、今では姿を消した『小川の竜』を再び見られる日がじきに訪れるだろう」と語った。「父母チャンス」や所得水準に関係なく、学校の勉強だけで「竜」を夢見ることができる日が来ることを期待してみる。

パク・サンヒョン記者

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