田中角栄を訪ねたトウ小平「水を飲むときは井戸を掘った人を忘れてはならない」

 ボーゲルは、歴史学者ではなく社会学者だ。現代社会を生んだ政治的、経済的、社会的構造を追跡するため、歴史的アプローチを選んだにすぎない。専門的歴史学者としての訓練を受けたことはないと告白している通り、漢文の1次資料を読むこともできない。そんな弱点を、当該分野の研究者らの成果を頼ることで突破した。それでも、1500年という長大な歴史から現代の中日関係を作る骨組みだけを選び出し、伝える手際は実に「巨匠」らしい。だが、あまりにも楽観的だ。日本には過去史に対する反省を求め、中国が反日感情を愛国心マーケティングとして活用しないことを注文してはいる。中国が推進する「一帯一路」事業や環境問題解決のための共同プロジェクトで協力を拡張すれば、両国は「熱い関係」ではなくとも「温かい関係」程度は維持できるだろう-と見込んでいる。中日間の密接な接触は米国にとって問題にならないだろうとも考えた。しかし現在展開している国際秩序は、ボーゲルの楽観とはいささか隔たりがあるようだ。592ページ、2万7000ウォン(約2630円)。日本題は『日中関係史ー1500年の交流から読むアジアの未来』。

金基哲(キム・ギチョル)学術専門記者

■「アジア・パワー指数」1位は米国、韓国7位…日本は?

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