復旦大学ブダペスト・キャンパスは同大学が欧州に初めて作るキャンパスで、2024年までに完成する予定だ。中国が影響力を拡大させようと欧州に据える「トロイの木馬」との指摘もある。キャンパスの建設費用15億ユーロ(約2000億円)のうち、13億ユーロ(約1730億円)を中国政府が融資し、ハンガリー政府が返済することになっている。建設費用はハンガリー政府が1年間に高等教育に投入する全予算よりも多く、議論を呼んでいる。中国の建設会社が中国製資材でキャンパスを作っている。しかも、復旦大学キャンパス設立用地はもともと貧しい地方出身の学生たちにとって手ごろな価格の住宅を建てることになっていた場所だったため、ハンガリー国民を刺激している。
この日のブダペストでのデモは、ますます広がりつつある欧州内の反中感情を示す象徴的な出来事だった。ハンガリーだけでなく、ドイツ・フランスなど大半の欧州諸国でも「中国嫌悪症」は拡大している。中国が欧州企業を相次いで買収するため拒否感を持つ人が多い。新型コロナウイルスも中国が拡散したのではないかという疑いを抱いている人がまだ多い。香港の欧州連合(EU)事務所は4日、天安門事件から32年を迎えて、窓際にろうそくを立ててともした写真をソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「ツイッター」に掲載、「EUは普遍的な人権を擁護する」と投稿した。