韓国のゲーム会社クラフトンは6日、インド現地にウェブサイトを開設し、中国とインドの国境紛争による影響でインド市場から撤退させられた自社のシューティングゲーム「バトルグラウンドモバイル」のサービス再開を宣言した。撤退から7カ月ぶりだ。
バトルグラウンドモバイルは昨年10月30日、インドの全てのモバイル向けアプリストアから消えた。インドが対中報復で中国のアプリ275種類を現地から追放した際、そのブラックリストに含まれたからだ。中国のインターネット企業大手、テンセント(騰訊)がゲームの運営を行っているという理由だった。テンセントはクラフトンの2位株主で、韓日を除く世界各地でバトルグラウンドモバイルの運営を担当している。追放当時インドではバトルグラウンドモバイルの1日当たりユーザー数が約3300万人に達していた。一夜にして巨大市場を失ったクラフトンは1カ月後に現地法人を設立し、「ゲームを直接配信する」として、事態収拾に乗り出した。そのために1億ドル(約109億円)を超える投資も約束した。韓国ゲーム業界関係者は「クラフトンは被害が大きいが、大株主であるテンセントに抗議したり、賠償を請求したりすることは困難な状況だ」と指摘した。
韓国ゲーム業界で今、「チャイナリスク」が高まっている。中国の外交・政治的な問題で流れ弾に当たるケースが起きているからだ。その背景には巨大資本を武器に韓国の多くのゲーム企業に多額の投資を行ってきた中国・テンセントの存在がある。