【コラム】朴正熙の原発、金日成の核爆弾

南の恩恵を受けて育ち北をあがめる586主体思想派
「善悪の双生児」とも言える南北の歴史を振り返ってほしい

 1970年代に入ると、核爆弾を持つ世界の5カ国以外の国々にも選択の時が訪れた。電力と爆弾のどちらも持てれば良いが、そうするわけにはいかなかった。南の指導者は電気を選択し、北は爆弾を選んだ。朴正熙(パク・チョンヒ)大統領は600メガワットの商業用原発建設に乗り出した。朴正熙大統領は1978年の古里原発1号機の竣工式で「2000年には8万メガワットの時代が来る」と予言した。今大韓民国の発電設備は12万メガワットなので、彼の予言はほぼ的中している。金日成が核爆弾の開発に乗り出したのは1980年代の初めごろと推定される。世襲王朝体制を守るための選択だった。寧辺の研究用原子炉は商業用にはならず、核爆弾の燃料を製造する生産基地となった。

 今、大韓民国は数百トンの鉄の塊を使って原子炉を製造し、輸出までしている。安定した電力供給が可能となり、それによって世界最大の半導体工場も稼働できるようになった。解放直後、韓半島の電力全体の90%を生産していた北朝鮮は、今や大韓民国で生産される電力の20分の1も生産できない。発電設備全体でも8000メガワットが精いっぱいだ。暗黒の北朝鮮と明るい大韓民国の間にはこのような数字以上に鮮明な違いが出ている。電力ではなく60個の核爆弾を手にした北朝鮮は闇の中でうずくまっている。数十年前に南北の指導者が選択したその結果の上で、今われわれは生活しているということだ。

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