報告書の一部が公開された時期は、ブリンケン国務長官が就任後最初の来韓の際、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権による組織的かつ広範囲な住民への虐待について何度も指摘した直後に当たる。国務省のソン・キム東アジア太平洋次官補代行が「数週間以内に完了するだろう」と明言していたバイデン政権による対北朝鮮政策の再検討が最後の段階に到達する時期とも重なる。外交関係者の間からは「人権弁護士出身の大統領がいる国が、金正恩政権による人権じゅうりんに顔を背けた結果、非常に追い詰められる状況を自ら招いた」などの指摘が相次いでいる。
これと関連してロバート・コーエン元米国務省人権担当副次官補は20日(現地時間)、米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)とのインタビューで「文在寅政権は北朝鮮の意向に合わせようとしているため、人権問題は『平和への障害』と考えているが、この問題(人権問題)を後回しにしているようでは平和は得られない」と指摘した。コーエン氏はさらに「文在寅政権は南北関係において『核兵器か人権問題かどちらか一つを選択すべきだ』と主張しているが、そのようなやり方そのものを問題視しなければならない」「(かつてのソ連や東欧の事例から分かるように)人権問題を取り上げることなく核合意が実現したケースはない」などとも主張した。韓国政府は国連人権理事会による北朝鮮人権決議案の採択に3年連続で共同提案国から外れたが、これについてもコーエン氏は「北朝鮮の脅迫と警告の結果であり、自尊感のない行動だ」と批判した。