半導体業界はTSMCを筆頭とする米日台連合がさらに強固なものになるとみている。TSMCは昨年、米国の華為(ファーウェイ)制裁に積極的に協力し、対中輸出が72%も急減した。米国にとっては信頼できる友軍と言える。今月6日に高官級で行われた米台経済繁栄パートナーシップ対話(EPP)には、TSMCや聯発科技(メディアテック)など台湾の半導体企業の役員100人余りが出席した。半導体業界関係者は「米国は自国企業の先端半導体が中国企業の工場で生産され、技術と人材の流出が起きることを懸念している」とした上で、「米国内の工場を持つTSMCとの協力が強化されれば、そうした負担から解放される」と指摘した。
これに対抗し、中国政府は2014年から半導体産業の育成と技術開発に1兆元(約16兆円)をつぎ込んだのに続き、今年は中国ファウンドリー最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)に5兆ウォンを投資するなど支援を拡大している。米国による制裁で先端半導体の設備や技術の輸入が禁止された状況で正面突破を図る覚悟だ。特に中国は半導体の生産設備を持たないファブレス企業が1300社余りあり、世界市場の15%を占めるなど急成長している。生産能力の裏付けさえあれば、一気に設計から生産、スマートフォンなどの完成品まで「完全な自立」を成し遂げることができるため、半導体製造プロセスの開発に執着している。