■専門家「日本車にブランドで押される韓国…2倍も3倍も刷新を」
コロナ禍でもトヨタが中国で2桁台の成長を達成できたのは、設計や部品調達の現地化で商品性と価格競争力を同時に高めた結果とされる。きっかけは2012年に中国で起きた日本車不買運動だった。トヨタは中国で11年まで好調に成長してきたが、翌年に危機に直面した。12年に尖閣諸島を巡る中日間の外交対立が激化し、中国での販売が一時的に半分に落ち込んだのだ。
当時中国で急成長していた現代・起亜自動車は日本車の販売減少分まで取り込んで好調だった。中国での販売は11年に117万2000台、12年に133万7000台に急増した。一方、危機に陥った日本車は競争力の刷新に突入した。最新モデルを中国に合うように改良し、以前よりも低価格で販売し始め、トヨタは翌13年にすぐに販売回復に成功した。12年の日本車不買運動が結局は「災い転じて福となす」結果となった。日本車と現代・起亜自の状況は17年に入ると完全に逆転した。韓国への終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備を巡る問題で中国国内で現代自の販売が激減したのに対し、トヨタ、日産、ホンダ、マツダはいずれも中国で過去最高の販売を記録した。18年1月の日本経済新聞は「韓中の政治関係が悪化し、現代自の中国での販売減少分を吸収したことが日本車躍進の要因の一つだった」と書いた。
現代・起亜自はTHAAD問題で販売が減少して以降、回復できずにいる。年250万台まで生産能力を拡充したが、昨年の中国での販売台数は前年比27%減の66万5000台にとどまった。産業研究院のチョ・チョル上級研究委員は「現代・起亜自は中日の外交対立に伴う販売減少以降の日本車の競争力刷新過程を細かく検証する必要がある。ブランドで劣る韓国の立場では日本車メーカーよりも2倍、3倍の努力が必要だ」と述べた。
崔元碩(チェ・ウォンソク)国際経済専門記者