ブリンケン候補は聴聞会で、米国が当面している脅威としてイラン、ロシア、北朝鮮などを挙げた。だがバイデン政権の外交・安全保障アジェンダ(課題)において、北朝鮮の核問題の優先順位がどの程度なのかはまだはっきりしない。それほど高くないというのが専門家らの意見だ。ワシントンのある元外交官は「北朝鮮が焦って先に挑発しないかぎり、バイデン政権が急いで飛び込みはしないだろう」と語った。トランプ政権期にめちゃくちゃになった国内外の問題を収拾し、癒やすことが優先だからだ。
終戦宣言になるか平和体制になるか、さもなくばそれ以上なのかは知り得ないが、朴智元・鄭義溶・徐薫トロイカは、文大統領の任期中に米朝・南北関係において画期となる何かを作り出したくて気がせいているだろう。韓米首脳会談を急ぐのもそれが理由だろう。だが防衛費分担金問題や戦時作戦統制権移管、韓米合同演習再開など、同盟の課題は山積みになっている。こうした問題を解きほぐす考えは持たずにトランプの遺産を守ることにこだわったら、逆効果にしかならない。バイデン政権と最初の握手を交わす前に悪手を打ちかねない、という意味だ。
姜仁仙(カン・インソン)副局長