文大統領も大統領候補だった時期に公益目的の情報提供者に対する保護強化を公約に掲げ、選対に公益情報提供支援委員会を設置した。政権発足直後には公益情報提供者の範囲拡大と保護強化を100大国政課題に含めた。しかし、文大統領の腹心である民主党の尹建永(ユン・ゴンヨン)議員は「(検察は)警察が求める出国禁止や逮捕状請求を何度も認めず、金元次官を守ってきた。7年後に控訴審で有罪判決が出ると、今度は手続きを問題にしている」とし、「金学義事件」の本質に集中しようと主張した。金元次官に対する違法な出国禁止措置の問題は表面的なことにすぎないという意味と受け止められている。
政界からは民主党など与党の態度変化について、「公益情報提供者の保護問題でも、自分たちの都合の良いようにしている」との指摘が出ている。自分たちが野党だった当時には前政権の不正暴露を「公益情報提供」として擁護していたが、権力を握ると政権に不利な情報提供や暴露を「機密漏えい」扱いしているからだ。前回の大統領選で文在寅選対の公益情報提供支援委員会の共同委員長を務めた李智文(イ・ジムン)韓国清廉運動本部理事長は「大部分の公共機関や企業は公益情報提供者の身元が特定されれば、全面的な背景調査を行い、小さな問題でも見つけ出し、懲戒や訴訟の手続きを踏み、人事上の不利益を与えるものだ」とし、「民主党議員が発議した法案はそうしたことを防ぐ趣旨だったが、最近の与党関係者の態度はその反対に思える」と語った。