朴氏は2013年4月、それまでの公益目的の情報提供対象に「自由民主的基本秩序の侵害」を追加する内容の改正案を発議した。そこには情報提供を受ける側に「国会議員およびその所属政党」を追加することも盛り込んだ。当時朴氏は12年の大統領選を控え、「国家情報院コメント事件」について、民主党に情報提供した人物に対する保護が不十分だという点を法案の発議背景として挙げた。そうした内容が15年4月に国会で成立した公益申告者保護法改正案に反映されなかったため、文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後の17年6月に同じ内容の改正案を再度発議した。朴槿恵(パク・クンヘ)政権のブラックリスト作成指示を受けた公務員が報復を恐れ、それを事前に明かすことができなかったという趣旨だった。
民主党の蘇秉勲(ソ・ビョンフン)議員も17年6月、公益申告者保護法改正案を発議した。匿名による情報提供でも法の保護を受けられるようにし、情報提供者であることを類推できる事実を公開、報道した場合、国民権益委員会が捜査機関に告発するという内容だ。同党の安敏錫(アン・ミンソク)議員も昨年10月、公益申告者支援基金を設置し、情報提供者の支援・保護に充てる内容の公益申告者保護法改正案を発議した。安議員は女優ユン・ジオ氏を「公益申告者」として扱い、支援を行う上で先頭に立ったが、ユン氏が後援金詐欺疑惑に巻き込まれ、論議を呼んだ。