正義党によるこのような流れは、「マイノリティー保護や両性平等など進歩陣営が掲げる路線と一致している」という前向きな評価と共に、正義党が存在感を維持することにもプラスに作用してきた。正義党は党の綱領に「女性と障害者、移住者、性的マイノリティーは排除と暴力の最も大きな被害者になっている」「大韓民国の座標を人間優先、生命優先へと果敢に変える全方位的革新を実現しなければならない」と明記している。さらに党の規約には「性差別、性暴力、家庭内暴力などの防止と処理に関する規定」を別途設けている。
ところが正義党は内部では過去の統合進歩党時代から性スキャンダルや事件を何度も起こしてきた。2012年の総選挙では、京畿道城南中院乙選挙区の野党単一候補として統合進歩党のユン・ウォンソク元民衆の声代表を公認したが、後から過去に性的暴行を行った事実が浮上し、最終的に辞退した。ユン元代表に性を巡る問題があったにもかかわらず、統合進歩党は野党単一候補として後押ししたのだ。また統合進歩党は当時、同じく性的暴行を行った事実が明るみに出た民労総(全国民主労働組合総連盟)幹部の処分を軽くしたとして批判を受けていたチョン・ジンフ元全教組(全国教職員労働組合)委員長を比例代表の順位4番として公認し、これも問題になった。当時民労総のある幹部が全教組の女性組合員に性的暴行を加えた事実が発覚し、統合進歩党を大きく揺るがせていた。進歩系のある政界関係者は「過去にも実際は公表されなかっただけで、性スキャンダルには党の組織を守るためみんなが口を閉ざしていた」と伝えた。