「黄禹錫事件をきちんと整理しなければ同じ問題が繰り返される」

洪性旭・ソウル大学生命科学部教授、2021年に『黄禹錫白書』出版へ

 白書作りを共に行う李俊昊(イ・ジュンホ)自然科学大学学長(58)と李賢淑(イ・ヒョンスク)生命科学部教授(53)も、05年当時、大学側に論文再調査を建議した若い教授らの一員だった。李賢淑教授は「一個人の問題だとか少数の過去のスキャンダルではなく、韓国の大学や社会のあちこちに隠れる不正についての告発」であって「誰か一人をののしる戦いでは絶対にない。真理探究の真実、その社会的責任を守ろうとするもの」と語った。そうして、白書委員会が作られた。

 容易ではなかった。大学側は、趣旨には共感したが手を差し伸べることはせず、白書作りに大きな進展はなかった。そんな中、扈源慶(ホ・ウォンギョン)ソウル大学医学科教授が、白書作りに使ってほしいと2000万ウォン(現在のレートで約188万円)を差し出した。洪教授の弟子である「科学史および科学哲学」専攻の博士課程の院生コさんは、20年10月から黄禹錫事件当時の関係者にインタビューを行い、基礎資料を集めている。コさんは21年まで白書を作った後、同じテーマで博士論文も書く計画だ。ソウル大学数学科を卒業したコさんは、医療倫理など社会的問題にも関心が強く、大学院は科学史および科学哲学専攻へと進んだ。修士論文も、後発医薬品の生物学的同等性に関する試験、いわゆる「BE試験」の倫理に関するものだった。

 白書は、21年の年末ごろに出版することを目標にしている。白書委員会に参加した教授らが白書作りを補助し、支援も行う計画だ。洪教授は「ソウル大学で事件が起き、黄禹錫・元教授が韓国国民の英雄だったころは大学側が事件をあおり、助長した面もある」とし「相反する側面を明らかにしつつ、きちんとした教訓を得られるように、黄禹錫事件の全てを扱うというよりはソウル大学と黄・元教授に集中して分析と展望を行いたい」と語った。

■腐敗認識指数1位はデンマーク&NZ、韓国は39位、日本は?

ユ・ジハン記者
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  • ▲黄禹錫・元ソウル大学教授

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