【コラム】青瓦台が仕掛けた「加徳島のわな」にはまってはならない

慢性的な赤字に対する責任を取った例はない

 なぜ釜山では、こうした悪条件の加徳島にこだわるのか。幅が狭く、海岸の山地に沿って帯状に伸びているせいで、空港の敷地がないのだ。加徳島は釜山の西端にある。釜山の東側からはアクセス性が悪い。蔚山市からは完全によその空港になる。蔚山市長は、同じ与党側の首長だという理由で加徳島案に付き合ってやっている。

 どういう風の吹き回しなのか、釜山の人々は、加徳島に造ってこそ「PK宿願事業」が実現するのだと信じている。加徳島は隣接する釜山新港と連携して24時間運営が可能な「アジアのハブ空港」になるだろうという。世界150都市とつながる仁川空港のごとく語っている。だが航空業界や関連の専門家らは、これがどれほど現実と懸け離れたばら色の幻想であるかを説明してくれるだろう。天文学的な金額を投じて空港を造っても、航空会社は採算が取れなければ就航しない。航空路線は、旅客と貨物の需要があってこそやって来るものだ。

 盧武鉉政権時代、「2025年には需要増加で金海空港が飽和状態になるだろう」という、東南地域新空港のための研究報告書が出た。果たして今、そうなっているだろうか。韓国国内の各空港は、水増しの航空需要を掲げて選挙公約で建設された。その空港の大部分は開店休業状態だ。大変な額の韓国国民の税金をばらまいて、トウガラシを干している。空港誘致を自分の業績として誇る政治家の中に、その後の巨額の慢性赤字について責任を取った者はいない。

 加徳島新空港さえできれば釜山がぱっと変わるかのように語る政治家がいるならば、取りあえず詐欺師と同じように見ていればいい。空港がどんな魔法をかけるというのか。TKは足を止め、PKは票の買収行為に幻惑されないこと祈るばかりだ。

崔普植(チェ・ボシク)先任記者

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