【寄稿】コロナで早まった韓国の「失われた10年」

韓国経済の基礎疾患は政治的な安易さ
遅れる構造改革で低成長…アジアにデフレの影
「失われた10年」回避には大胆で創意的であるべき

 当面の課題は「日本化」を避けることだ。残念だが日本は経済低迷が引き起こすわなにはまっている。日本の安倍晋三前首相は日本経済の野性を取り戻すとして、大胆な経済改革を推進した。柱は15年間続いたデフレを解消することだった。しかし、結果的に成功しなかった。

 アベノミクスはレーガン大統領やサッチャー首相のような瞬間を熱望した。しかし、自国の経済体制に衝撃を与え、インセンティブ体系を調整するのではなく、ただ陳腐な量的緩和に偏った。そこにコロナの衝撃が加わり、経済はもろくも崩れた。4-6月の経済成長率は年率換算でマイナス28%だった。菅義偉新首相が被害を最小限にとどめるためにあたふたするのにも理由がある。

 文在寅政権の経済は確実に日本の「失われた10年」を避けることができる。そのためには大胆で創意的な行動が必然的だ。その扉はいつまでも開かれてはいない。韓国経済の未来を脅かすデフレ圧力は徐々に迫っている。

ウィリアム・ペセックさん=経済コラムニスト、元ブルームバーグ記者

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