ユニクロの時価総額は7兆3880億円(14日現在)で、新型コロナウイルスの流行が本格化する前の2月末に比べ約30%増えました。韓国での不買運動にもかかわらず、中国市場が好調だったおかげです。現在ユニクロの時価総額は韓国株2位のSKハイニックス(62兆9722億ウォン=5兆8300億円、14日現在)を上回ります。
これはファッション業界首位のインディテックス(ZARAなどのブランド保有)の時価総額が750億ユーロ(9兆3200億円)で2月末に比べ10%減、3位H&Mの時価総額が2700億クローネ(3兆2300億円)で10%減だったのに比べると際立った成果です。
■不買運動もよいが、韓国が実益を得られるか自問する必要も
どうでしょうか。不買運動が韓国で日本企業に打撃を与えたのは確かですが、それが日本本社に大きな影響を与えたようには見えません。そして、それよりも重要なのが中国の姿勢です。米中衝突という特殊な状況で日本の支援が必要だったため、中国当局は日本企業が中国で大もうけするのを容認しているのかもしれません。中国も日本と歴史問題で深く対立しています。しかし、実利的な面で日本企業に中国でカネを稼がせ、中国も日本との協力を通じ、得るものを得るという計算かもしれません。あらゆることが政治的ではありますが、それでも中国と日本は政治問題を表面化させずに互いの実益を探ろうととても努力しているようです。
韓国の日本製品不買運動が不意味なことではないですが、特定企業をたたき過ぎれば、結局自分たちが逆風にさらされることになりかねません。もちろん日本と関係が悪化しても、それで韓国が日本で多くの商品やサービスを売る機会を逃したとしても、巨大市場である中国で韓国製品をもっと売ることができれば、実利的かもしれませんが。コロナで全世界の経済が苦しむ中、唯一好調な中国市場を韓国は十分に活用しているでしょうか。最近の状況を見ると、韓国は中国市場で実益を得ているようには見えません。むしろ実益は日本企業が得ている状況です。
日本車とユニクロの中国市場での躍進を見ていて、韓国は彼らに実際に打撃を与えることもできず、実益ばかり逃しているのではないかと自問させられます。
崔元碩(チェ・ウォンソク)国際経済専門記者