【コラム】文在寅時代を「安倍の鏡」に映して見る

韓国で最も嫌われた安倍がどうして在任最長の首相になったのか

 「安倍現象」と「安倍辞任以降の現象」は「我々が知らなかった日本の顔」だ。いくら親友でも弱点や短所を腹を割って指摘してはくれない。相手が自分の弱点や短所を攻撃するからこそ、それを活用して自分の弱点や短所を把握し補強する機会が得られる。そういう意味で文在寅(ムン・ジェイン)政権の3年4カ月を「安倍の時代」と比較してみることが可能だ。

 安倍は韓国では国粋主義反動政治家として知られている。事実ではあるが、それは安倍の素顔の半分にすぎない。安倍政治の基本は経済的成果をまず収めてこそ、政治的目標も達成できるという「回る政治」だ。安倍は政権初期の政治イベントをやめ、経済再生に全力を傾けた。当時日本は円高で輸出が阻まれ、株価が低迷し、失業率が高止まりし、日本人からは過去の自信感が消えていた。「3本の矢」で表現される経済政策が効果を発揮し、支持率が上昇すると、安倍は高い支持率を憲法が禁止する集団的自衛権の行使が合憲だとする憲法解釈を引き出す推進力として活用した。憲法を改正せずに改憲効果を上げた格好だ。

 安倍外交は対米関係が本論であり、他の外交は付録だという要点主義だ。米国とは適当に距離を置き、中国には接近することを核心とする民主党政権の雲をつかむような「東北アジア共同体構想」とは正反対だ。民主党政権の米国との「距離外交」は安全保障上の対立に加え、輸出の足かせとなる円高圧力を生み、領土問題を巡り、中国と武力衝突直前の事態に追い込まれ、ロシアとの北方領土返還交渉は玄関の敷居を超えられずに空転した。李明博(イ・ミョンバク)大統領が独島を訪れたのはそのころだった。日本の政治家だけでなく、日本国民も独島訪問を対米外交という礎が揺らいだことによる副作用の一つだと認識している。

■韓国が信頼できる国1位は米国、警戒すべき国は?

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