【朝鮮日報コラム】地球上で最も奇妙な独立記念日

国が独立した日、過去の傷を自らえぐり身内同士で争う滅茶苦茶な国
21世紀の世界ではほとんど見当たらず

 数年前、インドの首相の独立70周年記念演説を聞いたが、非常に印象に残るものだった。90分以上続いたが、過去を恨むことはなかった。内容のほとんどはインドに対する誇らしさと将来設計だった。大げさなものでもなかった。インド・メディアは「1家庭1トイレ」の約束を主な内容として報じた。今年の8月15日には中国との国境紛争を意識し「インドの主権尊重が最優先」と述べた。しかし、中国を名指しすることはなかった。与党は祖国のスワラジ(独立運動のスローガン)精神をたたえ、野党は国境紛争で犠牲になったインドの将兵に敬意を表した。

 大韓民国は独立記念日の際に誇れるものが世界で最も多い国だ。第2次世界大戦後に植民支配から解放されて建国した国の中で唯一、経済発展と民主主義を同時に成し遂げた。韓国の国民は独立記念日に過去と現在を誇りに思う資格がある。光復節に自分たちを祝うのは、現代史を成功させた大韓民国国民の権利だ。このような国民が、内戦と疾病の歴史に染まった国の国民よりも、独立記念日の過ごし方ははるかに下品だった。独立運動家やその子孫・遺族からなる団体「光復会」の会長だという人物が、独立記念日の祝辞を呪いの言葉で埋め尽くした。大統領はその呪いを聞いても沈黙したままだった。執権党はその呪いに拍手を送り、賛同した。国民を二つに引き裂いた。全ての国の独立記念日について調べることはできなかったが、おそらく大韓民国は地球上でもっとも奇妙な形で独立と建国を記念する国だろう。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)副局長

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