コンゴが特別なわけではない。ほとんどの国が独立記念日をこのような形で過ごす。イデオロギーの対立は韓国だけの現象ではない。しかし、独立記念日に過去の傷をえぐり、身内同士の争いを起こす滅茶苦茶な国はなかなか見当たらない。政治的利益のために不幸な過去をどこまでも掘り起こすポーランドくらいだろうか。独立記念日がやってくると身内同士でぶつかり合う。ポーランドに対する欧州の接し方は、自身の歴史に対するポーランド自らの接し方ほど薄情ではない。
インドも8月15日が独立記念日だ。第2次世界大戦終戦から2年後の1947年のこの日、インドは英国から独立して建国した。世界的に8月15日は日帝の敗亡と第2次世界大戦の終戦だけでなく、植民地支配からの解放を祝う日だ。インドは植民地支配されていた期間が長く、搾取と暴政による被害も大きかった。独立当時、インドの建国の指導者たちは植民地時代の二つの大きな残滓(ざんし)をどのように清算すべきか深く悩んだ。英国の帝国主義が移植した英語とクリケットだ。インドの指導者たちはこれらを逆に国家統合の遺産として継承した。
「ヒングリッシュ(ヒンディー+イングリッシュ)」と呼ばれるインド英語と、国民のスポーツとして定着したクリケットを、植民地時代の残滓と考える人はごく少数だ。クリケットの国際大会で英国を破るとき、インドの国民は歓喜し、一つになる。ヒングリッシュ人口がイングリッシュ人口を圧倒するという見通しも出ている。インドが経済大国として発展すれば、アメリカ英語のようにヒングリッシュが国際標準になる可能性もある。植民地時代の残滓で、多民族・多宗教・多言語の国民を一つにした。インドの統合と発展の象徴かつ手段に進化させたのだ。だからこそインドは大国なのだと思う。