「朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長にわいせつ行為・セクハラ(性的嫌がらせ)を受けた」と訴えた被害者を嘲笑(ちょうしょう)する文をフェイスブックに投稿した大邱地検のチン・ヘウォン部長検事に対して、韓国女性弁護士会が15日、大検察庁に公文書を送り、懲戒処分を要求した。韓国女性弁護士会は「チン検事は公務員とは信じがたいほど検事としての品位を著しく損ない、被害者に深刻な2次加害をした。軽薄な言葉で国民に対する礼儀をないがしろにした」としている。韓国女性弁護士会が特定の検事に対して懲戒処分を求めたのは前例のないことと見られる。
チン検事は13日午後6時、フェイスブックに自身が朴前市長らと腕を組んでいる写真を掲載して、「権力型性犯罪を自首します。大人の男性2人に同時にわいせつ行為・セクハラをしました」と書いた。そして、「腕を組むのもわいせつ行為ですか?」「女性がわいせつ行為だと主張すればわいせつ行為だから!」と書いた。さらに、ジュリアス・シーザー(カエサル)の暗殺に言及して、「私たちにとって大切な一人の英雄(朴前市長)を見送りつつ、ジュリアス・シーザーのことを思う市民は私一人だけではないだろう」とも投稿した。
15日未明のフェイスブックの投稿では、朴前市長を謀略にはめられて死んだギリシャ悲劇の主人公「ヒッポリュトス」に例えた。チン検事は「事実関係は、枠組みを作り、物量攻勢を動員した電撃戦に走るからといって確定するものではない」と朴前市長を支持した。これをめぐって、検察内部からは「チン検事と同じ検事(という立場)であることが恥ずかしい」という反応まであった。