素材・部品・設備の独立に向け、官民が取り組みを進めているが、祝杯を上げるにはまだ早いとの指摘もある。全国経済人連合会(全経連)の権泰信(クォン・テシン)副会長は「100品目の技術水準は対先進国比で61%にとどまり、半導体(38%)、ディスプレー(50%)の技術力が特に弱いのが現実だ」と指摘した。まだこの分野で強国である日本の影から完全に逃れるのは難しいとの見方だ。
実際にフッ化水素でも気体フッ化水素の国産化にはかなりの時間を要する見通しだ。SKマテリアルズが最近、関連技術を確保したことを明らかにしたが、生産量を増やすには追加投資が必要である上、企業がそれを適用するためにはテストも行わなければならない。ある業界関係者は「SKマテリアルズが2023年までに国内シェア70%を目標としているが、現在のシェアは0%に近い」と話した。
国産化が遅れている規制品目のフォトレジスト、フッ化ポリイミドは、同じ期間に輸入額がさらに増えている。特にサムスン電子がファウンドリーの超微細工程に使用するEUV(極端紫外線)フォトレジストの場合、国産化には5年程度かかるとみられている。現在東進セミケムが開発中のフォトレジストは超微細工程では使いにくいフッ化アルゴン(ArF)を光源としたものであり、当面は日本製への100%依存が続く見通しだ。
業界関係者は「国内の半導体・ディスプレー業界が当初予想よりも支障なく生産できたのは打たれ強かったのではなく、新型コロナウイルスの拡大で関連懸案が後回しになったからだ」とした上で、「日本はいつでも重要素材を武器にする準備をしており、現実に満足せず、長期的な備えを行うべきだ」と強調した。短期の勝利よりは持久戦に備えるべきとの指摘だ。
韓国政府は6月初め、日本の3品目の輸入制限措置について、世界貿易機関(WTO)における紛争解決手続きを再開すると正式に発表した。8月には韓国の裁判所が日本企業の資産の現金化を行うと予告している。2018年10月の大法院による強制徴用被害者損害賠償判決に伴うもので、それは日本が輸出規制を取る直接原因となった案件であり、両国間の緊張が再び高まっている。
チャン・ウジョン記者
ユン・ミンヒョク記者