しかし、日本はその後、約束を破り続けてきた。日本政府は2017年、ユネスコ世界遺産委員会に最初の報告書を提出した際、「強制労働」という表現を盛り込まなかった。19年の第2次報告書も同様だった。これについて、ユネスコは日本の約束違反を指摘し、登録される施設全体の歴史を理解できるようにすることを勧告した。
安倍内閣による今回の措置について、日本でも批判が起きている。共同通信は「日本が朝鮮半島を植民地支配していた当時の軍艦島では、多くの朝鮮人労働者が非道な扱いを受けたとされる」「(こうした動きは)過去の事実を覆い隠し、歴史修正主義を助長するとの批判を招きそうだ」と報じた。
一部からは安倍内閣が韓国の反発が予想される事案を強行することで両国関係が悪化することを助長、放置しているのではないかとの分析も聞かれる。韓国外交部は15日、在韓日本大使館の幹部を呼び、今回の問題について抗議するほか、ユネスコにもこの施設について伝え、日本政府が展示内容を修正するよう求めていく方針だ。
東京=李河遠(イ・ハウォン)特派員