そして尹美香(ユン・ミヒャン)だ。慰安婦のハルモニ(おばあさん)に寄生したという希代の黒幕疑惑が膨れ上がった。元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)さんは、30年間尹当選人にだまされたと語った。寄付金数十億ウォン(10億ウォン=約8683万円)が帳簿から消えて行方不明になった。ハルモニたちを表に出して集めた募金が、ハルモニたちのためには使われず、ハルモニたちのために作ったという憩いの場は、尹当選人の個人別荘のように使用された。所得がろくにない尹当選人の家族は、一文たりとも融資を受けずに自己資金で5回も家を買うほど現金がある金持ちだった。尹当選人の娘は、巨額の費用がかかる米国の大学に留学中だ。この不条理な状況を、どう説明すべきか。
中でもあきれ返るのは、尹当選人が慰安婦問題解決を望んでいなかったという疑惑だ。日本との交渉を担当していた千英宇(チョン・ヨンウ)元外交安保首席が、そのように証言した。慰安婦合意が実現したら自分のやることがなくなり、挺対協(韓国挺身〈ていしん〉隊問題対策協議会)を閉鎖しなければならなくなる、という意味で受け取ったというのだ。宿主が消えたら生きていけないことを、寄生虫は知っている。
映画でギテクの妻は、自分たち一家の立場を「ゴキブリ」だと自嘲した。「パク社長が家に来たらゴキブリのように隠れるでしょ」と。寄生虫が最も恐れるのは、宿主にばれてしまうことだ。両目を見開いて監視すべき偽善的パラサイトがあまりにも多い。
朴正薫(パク・チョンフン)論説室長