先の総選挙で韓国人は、国民の税金にストローを差して吸い上げる政治権力の実像を生々しく目撃した。ありとあらゆる名目を付けて現金をばらまき、妥当性の調査すら免除して数十兆ウォン(10兆ウォン=現在のレートで約8683億円。以下同じ)規模の地域陳情を解決してやった。選挙の2日前に「児童手当」という名目で1兆ウォン(約868億円)分の商品券をまき散らし、「選挙に勝ったら全国民に災害支援金を支給したい」と、露骨な買票に出た。国民のためであるかのように振る舞っていたが、そのカネは全て国民が払った税金から出る。国民のカネで選挙運動を行い、有権者の税金で党派的利益を得たのだ。
学生運動出身のある人物は、4年前の総選挙で落選した後、自分の選挙区にある公共機関の理事長に「落下傘任命」された。この人物は、任期中ずっと「機関のカネで選挙運動をしている」と物議を醸していた。選挙区の住民を招いて行事を開き、自分の名前入りの垂れ幕を掲げたかと思えば、高齢者が集まる施設に理事長名義の商品券をばらまいた。ありとあらゆる方法で自己PRしておいて、総選挙直前に任期半ばで理事長を辞任し、選挙に出て当選した。このように、法人カードで接待し、慶弔費を使う「落下傘パラサイト」があちこちの公企業で陣を敷いている。「脱原発寄生族」もいる。政権の保護を受けている586世代(60年代生まれで80年代に大学へ通った50代)の学生運動出身者らが、脱原発政策に寄生して太陽光の利権を独り占めしている。
この政権は、韓国国民に「不動産財テクをするな」と言った。「住む家でないなら売れ」と脅したくせに、肝心の高位公職者は、3人に1人が2軒以上の家を持っていた。多住宅者を罪人扱いする政府の基準によれば、この人々は他者の居住の機会を奪った投機屋にすぎない。ある議員は実に5軒も保有し、ある閣僚は自分の選挙区で再開発マークで16億ウォン(約1億3900万円)稼いだ。文在寅(ムン・ジェイン)政権の護衛の武士と言っていた大統領府報道官は、再開発ビルにストローを差した。不況に耐え切れず急ぎの売り物件として出てきた商店を安く買うことで、チキン店が店を閉じてビアホールが廃業する、自営業の廃虚の上で財テクの宴を張った。この人物が購入した直後、待っていたかのように開発の好材料が相次ぎ、当人は巨額の差益を手にした。