銃撃された監視哨所、韓国軍の説明に反し北機関銃の有効射程距離内だった

 しかし合同参謀本部のある幹部は3日のブリーフィングで「(北朝鮮の挑発を)意図的とみるには、挑発の適切性を考えねばならない」「(武器には)最大有効射程距離があるが、挑発は有効射程距離の範囲内で行うのが一般的な常識」と主張した。当時、合同参謀本部は北朝鮮軍の挑発武器の諸元はもちろんのこと、韓国軍の具体的な対応時刻も公表していなかった。韓国軍のある関係者は「高射銃の有効射程距離は、挑発が起こった二つのGP間の距離よりも明らかに長いが、これを短いもののように説明したのは、事件を縮小する意図があったと誤解を受ける恐れがある」とコメントした。これについて合同参謀本部は「国連軍司令部と調査中の事案」との説明を繰り返した。

 一部では北朝鮮軍が特殊作戦部隊を動員し、意図的に挑発を行ったとの主張も出ている。韓南大学国防戦略大学院のヤン・ウク兼任教授は「当時は霧が深く、可視距離が1キロほどの状況だったとすれば、GPの建物は手のひらサイズよりも小さくかすかにしか見えなかったはず」として「14.5ミリ高射銃で1.5-1.9キロ離れた距離からわが軍のGPに4発の弾着群を形成するほどの射撃レベルとすれば、高射砲部隊員あるいは熟練した射撃実力を持つ特殊作戦部隊員でないとできない」と指摘した。GPでの勤務経験を持つ韓国軍のある幹部は「霧が深かったので意図的な挑発の可能性は低いと言うが、北朝鮮軍は常に曖昧模糊(もこ)な状況で挑発を行ってきた」と主張した。

 合同参謀本部が「北朝鮮による挑発への対応を迅速に行った」と見せるため、説明を歪曲したとの指摘もある。ある政府関係者は「事件当時、北朝鮮軍GPに対する銃撃の指示はGP哨所長ではなく師団長が行ったと聞いている」と伝えた。合同参謀本部は最初のブリーフィングの際「現場の指揮官」の判断で適切に措置が行われたと説明した。当時の発表からは「軍が現場で直ちに対応した」と解釈された。

梁昇植(ヤン・スンシク)記者
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