3040世代と階層的批判意識を持つ人が今の共に民主党を「我々と同じ側に立つ者」「こちら側」と考えるようになり、未来統合党を「持つ者たちの側」「あちら側」と感じ始めれば、韓国の選挙は共に民主党の独走体制に入ることになる。蔚山選挙工作疑惑で起訴された3人が全員当選したのは、違法行為をしたかどうかよりも「こちら側」かどうかの方が重要だからだ。3040世代のサラリーマンたちが「文在寅(ムン・ジェイン)はうまくやった実績もないが、未来統合党に投票するなんて絶対できない」というのは、最初から「どちらの側にいるか」が違うからだ。今後、共に民主党政権が経済をより困難な状況に陥れたとしても、この「こちら側」意識は簡単には消えないだろう。
選挙の構造がこのように固まってしまうと、韓国でも日本式の「1.5大政党制」(一と二分の一政党制)が出現する可能性がある。韓国で選挙のたびに生まれていた絶妙なバランスは歴史の遺物になるだろう。日本の衆議院は野党が与党の2分の1だが、存在感は10分の1にも満たない。本当の野党の役割は与党内の反対派がする。だから日本はほかの民主国家のように与野党の二大政党制ではなく、1.5大政党制という。韓国で2年後の大統領選挙でも共に民主党が勝利すれば、韓国式1.5大政党制が本格化する可能性がある。今はその入り口なのだ。
未来統合党が1.5大政党制を防ぐには、根本を変えなければならない。地域間の確執は簡単に変えられない問題だが、3040世代の心をとらえて階層問題を解決することは、努力次第で可能だ。党代表を選ぶ代議員たちを若年層に入れ替え、党の顔を若い人にし、党の福祉政策を補完していけば有権者の見方が変わる。基本所得制と同じ合理性を備えた制度は無条件に排斥せず、真摯(しんし)に討論すべきだ。未来統合党が惨敗の原因を新型コロナウイルスと黄教安代表、妄言の中にだけ見いだそうとするなら、1.5大政党制の方へ自ら歩み寄っていることになる。
楊相勲(ヤン・サンフン)主筆