―反米・自主・平等のような1980年代の古い価値観にとらわれた586世代(1960年代に生まれ、80年代に大学に通った現在の50代)が大統領府をはじめとする政治・社会で権力を掌握していると批判する声が絶えない。
「586世代は非常に哀れな存在だ。民主化に寄与した功労は認めるが、これらの世代が大学時代を過ごした1980年代は、反独裁・反米闘争で想像力が抑圧されていた時代だ。自主・自立だけを叫ぶのは、19世紀的で単線的な思考回路だ。1世紀前の日本よりもいち早く富国強兵に乗り出すことができなかったのはなぜか、と批判する。586世代が変化する国際秩序を読み取り、生存と繁栄を成すことができなければ、再び後世の批判の的となるだろう」
―韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄により、70年間続いて来た韓米同盟に亀裂が入ったとの指摘もある。
「米国は、韓国が同盟の価値をどのように評価するか検討するだろう。韓米同盟は、朝鮮半島で南北の軍事衝突を抑制し、韓国の経済的成長を裏付けた根幹だ。米国が主導する新アジア太平洋の秩序が形成されつつある21世紀に、韓米同盟の重要性はさらに増していく。韓国は今世紀が自主の時代ではなく、共主の時代であるということを肝に銘じて米国を最大限活用していかなければならない」