―高宗は自らを守るだけの力のない弱小国は「万国公法」に保護されないということを知らなかったのか。
「『万国公法』(当時の国際法)は1870年代に朝鮮に紹介された。高宗は1882年に開化政策を発表しながら、軍事力と万国公法の重要さを指摘した。当時の知識人たちは、力がリードする国際秩序において万国公法には限界があるという事実を明確に認識していた。高宗は、現実的に軍事力を取りそろえることができない状況下で、万国公法の力でも借りようとする非現実的な試みに出たのだ」
―結局、亡国の責任は国際秩序を正確に読み取ることができなかった高宗の無能さにあるのではないか。
「『主権守護外交』に対する高宗の努力は認める。しかし、弱肉強食という世界秩序の中で高宗は弱々しい敗北者にすぎなかった。大韓帝国は自力で生存することができなかったため、中立化よりも列強が積極的に関与できるよう魅力ある国家として取り繕う必要性があった。しかし、高宗にはこうした能力がなかった」
―1世紀前の失敗から何を学ぶべきか。
「21世紀の文明の標準的変化を読み取り、対応していかなければならない。韓国の運命を牛耳るのはグローバルリーダーシップの転換だ。米中が展開している新アジア太平洋(新亜太)の秩序構築競争で、韓国は局面を正確に読み取り、中進国としての力を最大限に活用し、積極的に参加していかなければならない。韓米同盟のフレームを維持しつつ、中国とは適切に関係を結んでいく戦略が必要だ。国内の全ての力を集結させなければならない。現在のように極端な陣営対立を引き起こしているようでは、危機を乗り越えることはできない。自主的な世界化、開かれた民族主義のような柔軟な思考を兼ね備えた若い世代が早々に登場する必要性がある」