北朝鮮の平壌市体育団所属選手だった脱北者A氏は「かつてロシア1部リーグで活躍した洪映早(ホン・ヨンジョ)は北朝鮮当局と5:5の割合で給与を分けていたが、国連の対北朝鮮制裁でドル確保が切実になると、選手の取り分を30%に減らした」と語った。韓光成の年俸を10億ウォンと仮定すれば、北朝鮮当局は7億ウォン(約6250万円)持っていく計算になる。
VOAは5日、韓光成の身元に異議を申し立て、「韓光成の年俸が北朝鮮に渡らないことをユベントスが保障するなら、国連安保理の対北朝鮮制裁委員会に免除を要請できる事案だ」と付け加えた。しかし、ユベントスがどんな保障をしても、韓光成の年俸のうちかなりの金額が北朝鮮当局に流れ入るのは必至だ。脱北者A氏は「韓光成が北朝鮮内の家族に送金して、北朝鮮当局がそこから『忠誠資金』を取り立てればそれまでだ。北朝鮮の主要人物と機関口座の取引だけを禁止する現行の決議案では、外貨稼ぎを根本から防ぐことはできない。北朝鮮当局は3-4年前から『忠誠資金』の割合を引き上げようとしているが、海外に進出した選手たちは自分たちの取り分を少しでも多く残すため、チームと『裏契約』するケースもあると聞いた」と語った。
サッカー関連統計サイト「トランスファーマルクト」によると、海外の有名1-2部リーグでプレーする北朝鮮国籍の選手は計14人だという。東アジアや中国の下位リーグまで合わせると30-40人前後に達する。鄭大世(チョン・テセ、35)=清水エスパルス=のような在日韓国人選手は北朝鮮当局に忠誠資金を支払わない。