■年末には解決の糸口か
半導体業界は素材の国産化と供給多角化を推進しているが、日本製に完全に代替可能かどうか確信できずにいる。半導体業界は当面、9月中旬に最初の判断が可能とみている。半導体ウエハーが工程に入ってから、半導体の最終製品ができるまでには50日程度かかる。サムスン電子とSKハイニックスは7月中旬ごろに日本製以外の素材を投入したテストを開始した。代替品を投入して生産した試作品が出来上がるのは50日が経過した9月中旬ごろになる。
業界関係者は「新製品がテストに合格しても、直ちに全ての問題が解決されるわけではない」と述べた。代替品があるといっても、生産に必要なだけの物量を確保するとなれば別の話だ。素材メーカーの生産能力が限られているためだ。ソウルブレーンの忠清南道公州工場は現在フル稼働状態だ。日本による経済報復以降、韓国メーカーから供給を増やすよう要求を受けたが、提供できなかった。設備を増設したとしても時間がかかる。ソウルブレーンは9月に第2工場が完成し、稼働を開始するが、第2工場で生産されるフッ化水素が第1工場と同じ品質かどうか、半導体生産に適しているかどうかは再度テストが必要となる。
年末までに気体フッ化水素の試作品を供給するとしているSKマテリアルズも同様の状況だ。試作品が登場すれば、それをテストして安定化を図り、生産に適用するまで6カ月以上を要する。半導体業界幹部は「結局少なくとも年末か来年上半期にならなければ、日本製フッ化水素の供給支障リスクから脱却できるかどうか確認できない。日本製フッ化水素の供給中断が続けば、韓国の半導体メーカーはしばらく減産、不良率の上昇などの危機に直面しかねない」と述べた。