韓国「リアルメーター」世論調査、与党代表の一言で大変動

 これについて明知大学のキム・ヒョンジュン教授は「自由韓国党が問題を起こして支持率が下がったとしても、共に民主党の支持率が7ポイントも一気に上がるのは理解できない」「最近の路線バス運転手のスト問題や、今や最悪の状況にある雇用統計などを見ても、与党の支持率が上がる要素はない」と指摘した。

 とりわけソウルの場合、先週の共に民主党の支持率は33.0%、自由韓国党の支持率は42.5%で、自由韓国党が9.5ポイントリードしていたが、今週は41.7%と30.4%で共に民主党が逆に11.3ポイントも上回る大逆転となった。さらに大邱・慶尚北道では共に民主党の支持率が1週間で11.4%高い34.5%、自由韓国党は9.6%低い39.9%を記録するなど、両党の格差が一気に狭まった。

 自由韓国党の金汀才(キム・ジョンジェ)院内報道官は「自分たちに不利な結果となった世論調査に『おかしい』などと圧力をかける政権与党の代表や、その代表の一言で出た全く違った調査結果など、これらはどちらも正常ではない」と指摘した。ソウル大学のキム・ソクホ教授は「リアルメーターが主に使用する音声自動応答システム(ARS)による調査方法では、代表性のある標本の抽出が難しく、回答もずさんなものになりやすいので信頼性は低い」との見方を示した。

 実は過去にもリアルメーターはさまざまな政治的懸案について与党の意向に沿った世論調査結果を出したことがある。自由韓国党を除く与野4党が選挙制度改編などをファーストトラック(迅速処理案件指定)とすることで合意したことについて、リアルメーターは「国民の半数以上が賛成している」とする調査結果を発表したが、これなどはその典型的なケースだ。この調査で使用された質問では「選挙制度改編」を「改革法案」と表現していた。ポジティブなイメージを意図して与えることで、事実上の賛成を引き出したと指摘される部分だ。さらに候補者だったときに株式投資問題で批判を受けたイ・ミンソン憲法裁判官については「不適格」が「適格」の2倍となる調査結果を発表したが、その3日後には質問を変え「賛成と反対が拮抗(きっこう)している」と発表した。与党は後者の調査結果をイ・ミンソン氏任命強行の根拠とした。

洪永林(ホン・ヨンリム)世論調査専門記者
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