■韓国車、新車投入で反撃へ
中国で韓国車が苦戦する理由は、THAAD問題の余波でブランドに対する支持度が打撃を受けたほか、中国で人気が高いスポーツタイプ多目的車(SUV)の新車投入が遅れるなどの問題が重なり、顧客が急速に離れたからだ。現地で会った中国人は日本車のブランドと品質に好感を示していたほか、最近の中国車の成長を受け、格安の中国車を購入したいと語る人も多かった。中国の自動車市場全体に占めるSUVの割合は15年の15%から17年には41%に上昇した。しかし、現代・起亜自がこの期間に投入したSUVは15、16年が各1モデル、17年が2モデルにすぎなかった。
専門家は中国市場で社運を懸けた投資を行うべきだと指摘する。竜仁大中国経営研究所のパク・スンチャン所長は「現代・起亜自の失敗原因を全てTHAADのせいにするのは、自分を慰めるための口実だ。中国政府が積極的に推進するエコカー政策に歩調を合わせ、ハイブリッド車、電気自動車を多数投入するとか、中国メーカーと共同で電気自動車のプラットフォームを開発するなど変化を目指さなければ、反撃を狙うことはできない」と指摘した。
現代・起亜自は今年、中国市場でSUVの「ix25」第2世代モデル、エンシノ(コナの電気自動車版)、領動(リンドン、アバンテのプラグインハイブリッド版)、新型K3などの新車を発売し、反撃を狙う。現代自は今月中旬、中国人が好む先端機能を数多く搭載した「勝達(ションダー)」(中国版サンタフェ)を発売し、弱点とされてきたSUVのラインアップを補強した。同社関係者は「中国市場に適した新車を攻撃的に発売し、中国市場でのシェア回復に取り組む」と述べた。