韓国で妊娠中絶薬の違法購入が急増、中絶の処罰強化が原因か

 妊娠中絶薬を違法で購入しようとする人が増え始めたのは、まさにこの時点だ。妊娠中絶薬の違法取引摘発件数は2016年まで減る傾向にあったが、16年を機に1年で900-1000件も増えた。米国やフランスなどでは、妊娠中絶薬が合法的に使用されているが、こうした薬品が韓国国内では「海外直接購買」などの形で流通しているのだ。

■違法な妊娠中絶薬、処方なしに服用すれば健康に悪影響

 しかし、西欧で幅広く使われている薬だとしても、韓国国内の消費者が医師の処方なしに服用すれば、健康に大きな影響を及ぼすことがある。

 違法か合法かを別にして、医療陣は女性たちの安全と健康を危惧する。最も多く摘発された妊娠中絶薬の一つがフランスの製薬会社の開発したミフェプリストン(mifepristone)だが、この薬は妊娠7週を迎える前に使用すれば90%の確率で中絶できる。しかし、薬を飲んでも中絶できなければ、追加で手術を受けなければならない。盆唐車病院産婦人科のチャン・ジヒョン教授は「大量出血や子宮内の残余物による感染が懸念されることから、医療機関で診察を受けながら使わなければならない薬品だ。個人が自ら購入して使えば危険の恐れがある」と警鐘を鳴らす。

■ステロイド剤も危険

 妊娠中絶薬ほどではないが、違法取引が急増している薬は体の成長を助けるステロイドだ。ステロイドの違法取引の摘発件数は2013年の146件から昨年は600件と、5年間で4倍になった。

ホン・ジュンギ記者
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