これより前の11日、文大統領が禁酒国であるブルネイで行われたボルキア国王との晩さん会で乾杯を促したのも不適切たという批判が出た。この時、グラスには酒ではなく水やジュースなどが入っていたが、国王・王妃を除く一部のブルネイ王族などの随行員は抵抗感を示し、乾杯しなかったことが分かった。外交消息筋は「保守的なイスラム教徒たちは乾杯を促したこと自体に強い抵抗感を持っている」と話す。さらに、韓国大統領府はブルネイ王室関連情報の公表が欠礼にあたることを知らず、ブログにブルネイのサレハ王妃と金正淑(キム・ジョンスク)夫人の歓談場所などを公表、後に修正した。
■「専門性・責任感・綱紀が総体的にずさん」
韓国大統領府は文大統領のあいさつについて、「大統領府内にはマレーシア語を知っている人がおらず、大統領府が事前に作成したものではない。現地に行って確認したものだ」と説明した。つまり、現地の実務者たちのせいにしたのだ。大統領の海外スピーチ文は外交部(省に相当)や大統領府参謀たちが基本的な枠組みを作った後、演説企画秘書官室が総合して草案を作る。その後、大統領の検討・添削を経て最終版が完成する。韓国大統領府関係者は「現地で第1付属秘書官室や儀典秘書官室が通訳を経ずにミスを犯した可能性が高い」と語った。