前者はフィリピンのリゾート地を丸ごと貸し切りにして誕生日パーティーを開き、数億ウォン(数千万円)を使った際、ルームサロン(ホステスのいる高級個室クラブ)の従業員十数人を連れて行ってクラブのような雰囲気にしようとしていたそうだ。後者は普段は礼儀正しいことで知られていたが、その実はグループチャットで性行為動画を回し見して笑っていた。番組で「カカオトーク専用」だとしてそのスマートフォンを自慢したこともあった。
韓国ではアイドルのことが立派な文化伝道師のように見なされているが、実際には「企画商品」に過ぎない。テレビ局では彼らをさまざまな番組に出して虚像を作り上げ、その虚像を利用してまた番組を作る。社会学者のカリフォルニア大学バークレー校ジョン・リー教授は、アイドルがけん引するK-POPを「文化や美学を問うことのない赤裸々な商業主義」と言った。金と人気を持て余した若いアイドル(偶像)が密室で悪事を働き、発覚したのが今回の事件のてんまつだ。だから、実はショックを受けたり失望したりするようなことでもない。「そんなことだろう」と思っていたことが事実だと明らかになっただけだ。本当の大衆芸術は今、この瞬間もテレビではなく孤独なレッスン室で汗を流し、生まれようとしている。
韓賢祐(ハン・ヒョンウ)論説委員