故スティーブン・ホーキング博士は遺作「Brief Answers to the Big Questions(大きな疑問への簡潔な回答)」で「未来におけるより大きな制約とリスクは、人間が穴居時代に持っていた本能、中でも攻撃的な衝動が今も残っていることにある」と指摘した。韓国政治における現在と未来のリスクは、選ばれた政治家が攻撃的な本能を持っている点にある。実際にわれわれは「李石基(イ・ソッキ)赦免要求デモ」と「朴槿恵(パク・クンヘ)釈放要求デモ」が同時に行われる奇怪な時空間に生きている。
つい先日「将来が期待される」と言われたかと思えば、もう古株だ。扉の外からはまた新たな後任の足音が聞こえる。記者にこれから数年後の願いがあるとすれば、それは「北朝鮮の核廃棄」と「韓国における模範的な政権交代」だ。新しい大統領が就任して2年が過ぎても「前任の大統領のおかげで国の経済が発展した」と言われるような政権交代を見てみたい。「成功した政権交代」が韓国経済に及ぼすプラスの効果は数千兆ウォン(数百兆円)規模になるはずだ。
キム・グァンイル論説委員