スト頻発に日本超えの賃金、競争力失ったルノーサムスン工場の今後は

ルノー本社は生産割り当ての停止を警告
「第2のGM状態か」 恐怖におびえる協力会社
釜山工場では部分ストが常態化
協力会社は実質週2-3日勤務
「もはや正常な会社運営は不可能」

■恐怖におびえる協力会社

 この状況下で協力会社はどこも連鎖倒産の恐怖におびえている。ルノーサムスンの1次協力会社であるA社の社員たちは先月の勤務が事実上「週3回」だった。ルノーサムスンで突発的な部分ストが相次いだため、通常通り出勤しても3-4時間働いただけで退勤する日が続き、1日8時間勤務に換算すると週3日勤務と同等になってしまったのだ。

 ルノーサムスンは1次部品メーカーだけで約260社を抱えている。間接的な雇用人数は5万人を超える。ルノーサムスンの部品メーカーの協議会会長を務めるナ・ギウォン氏は「協議会に加盟している部品メーカーは、全納品量のうちルノーサムスンへの納品割合が半数以上を占めている」と話した。ナ氏はまた「1995年からルノーサムスンに納品している。大変な時期もなくはなかったが、今は最悪の状況に向かっている気がする」と不安を口にした。

 労組の部分ストの影響で、協力会社はすでに正常な会社運営ができなくなっている。別の協力会社の関係者は「いっそ全面ストにしてくれれば政府に手当を申請することもできるのに、予告なしに部分ストが頻発するため、社員を出勤させてもすぐに帰宅させる日が多い」として「週2-3日勤務の会社が増えた」と話した。ルノーサムスンの協力会社の協議会は旧正月前に会議を開いたが、解決策は出なかった。ルノーサムスンの企業側と労組側に対し、主張を文書で送っただけで終わってしまった。

 西江大のキム・ヨンジン教授は「ルノーサムスンは委託生産の割り当てがなければ潰れる危機にある。生産専門工場の競争力の核となるのは固定費、特に人件費だ」とした上で「全世界が人件費圧縮のために構造調整を断行する中、韓国だけが逆行していれば、効率性を徹底的に追求する本社からはもう生産を委託されなくなるはずだ。それなのに、労組にこんなにも危機感がなければ大変なことになる」と指摘した。

柳井(リュ・ジョン)記者 , ソク・ナムジュン記者
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