ユーチューブやオンライン中心へと変わった音楽の消費方式も大きな役割を果たした。大手芸能事務所・SMエンターテインメントの関係者は「日本はもちろん、全世界に向けてすぐに新曲の音源を同時リリースできるようになったことで活動の制約がなくなり、成果も上がるようになった」と話す。今や日本の芸能事務所やテレビ局の宣伝・広報を頼りにしなくても、日本のファンたちが防弾少年団・Wanna One・TWICEなどK-POPアイドルの新曲プロモーションビデオ映像に歌詞を翻訳した字幕を付けてソーシャル・メディアで拡散させる。
「Tシャツ騒動」で浮上した嫌韓流ムードの中でも、防弾少年団の東京ドーム公演に10万人の観客が集まったのは「コンテンツの力」のおかげだ。米ジョージ・メイソン大学のイ・ギュタク教授は「グローバルな音楽トレンドをいち早く吸収し、パフォーマンスの実力まで持つアーティスト級のアイドルを誕生させるコンテンツという面では韓国が圧倒している」と評した。
韓日間の政治対立が大衆文化交流に影響を与えているものの、専門家たちは「韓日大衆文化は互いに『ウィンウィン』(win・win=双方に利益がある)関係が成り立つ最適のパートナー」と口をそろえる。文化評論家のハ・ジェグン氏は「K-POP全体の収益の半分以上を占める日本は、依然として開拓の大きなチャンスがある市場だ」と言った。
日本としても、韓国は世界市場開拓のための足がかりだ。日本の大衆文化評論家・古家正亨氏は「政治には政治の使命がある。文化はこれとは別に、市民交流次元のコミュニケーションを目指すべきだ」と語った。