【社説】「低成長のわな」にはまり、急速に老いる韓国経済

 韓国銀行は、今年の韓国の経済成長率の見込み値をわずか3カ月で0.2ポイント下げ、2.7%の成長にとどまるだろうと発表した。昨年は3%台という弾むような成長の勢いだったが、わずか1年で終わり、経済がきちんと回復もしていない状態で下落傾向へと転じたという意味だ。また韓銀は、雇用増加の見込み値も当初の26万人から18万人に減らし、さらに9万人に落とした。昨年の3分の1にもならない数字だ。世界経済は昨年に続いて今年も3.7%成長(IMF〈国際通貨基金〉の見込み値)という好況を享受しているのに、韓国だけは沈滞が加速しており、世界平均との格差は一段と広がっている。韓国より2倍も豊かな米国の成長率(見込み値で2.9%)にも逆転されるに至った。

 さらに深刻な問題は、韓銀の見込み値2.7%が、韓国経済の成長能力を意味する潜在成長率2.8%にも届かないという点だ。物価上昇などを誘発せずに達成できる潜在成長率より低いということは、経済の成果が最小限の基本にも達していないという意味になる。米国・日本など先進国とは異なり韓国経済は、まだしばらくはもっと成長しなければならない未成熟な経済だ。にもかかわらず、潜在成長率すら達成できず、2%台の低成長が構造的に定着するだろうという恐れが強まっている。先進経済圏に進入できていない状態で経済成長の場が閉ざされ、急速に「老いて」いるというわけだ。

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