■小学生はなぜこうなってしまったのか
小学生による暴力行為が増えたことは、全般的に生徒たちの身体の発育が早くなった上、ユーチューブなど扇情的で暴力的なコンテンツに幼少時から容易に接するようになったことが少なからず影響を与えている、といった見方が多い。韓国教員団体総連合会(韓国教総)のイ・ホジュン教権強化局部長は「最近小学生たちもスマートフォンを多用するようになったが、暴言や暴力が何気なく使用されている動画に幼いころからさらされている」と説明する。最近教師や父兄の間では、「中2病」(思春期が始まる中2のころに攻撃的な態度が顕著になる現象)ではなく、「小4病」といった単語まで聞かれるようになった。
仁川市で小学5年を担当している教師のキムさん(は「子どもたちの行動を指摘すると、『だからって何ですか。殴ろうとでも言うんですか』といった具合にちゃかし、SNS(会員制交流サイト)に担任の悪口を書き込む子どもたちがあまりにも多く見受けられる。中高生はそれでも遂行評価(提出課題)や学生部記録(通知表のようなもの)があり、ある程度統制できるが、小学生は統制するすべがほとんどない」と肩を落とす。法務法人「現在」のチョン・スミン弁護士は「以前までは小学生のちょっとした反抗程度に受け止められてきた問題も、今では父兄や児童、教師までが敏感に感じだしたことで、全般的にも以前より苦情が増える傾向にある。特に小学生の場合は、まずは親が敏感に受け止め、正式的な手段に乗り出そうと積極的な介入を見せるケースが多いため、暴力に対する苦情件数は中高生よりも急速に増加している」と説明した。