しかし幸いにもハンドボールは1992年のバルセロナ・オリンピックの主力選手たちが2008年の北京オリンピックまで現役を続けた。女子ハンドボール選手たちを取り上げた有名な映画『私たちの生涯最高の瞬間』の題材となった話だ。日本ではこのように「強い韓国」について研究し、その結果韓国の「選手村」を参考にした「ナショナルトレーニングセンター」や国立スポーツ科学センターなどが設立された。また韓国では国際大会で活躍すれば兵役免除もあり、大学のスポーツ選手たちは授業に出なくとも卒業できた。このような慣行も韓国が国際大会で多くの金メダルを獲得するのに大きく貢献してきた。
ところが今韓国という国の存立を根本から脅かす人口減少の波がスポーツ界にも押し寄せ始めている。韓国における新生児の数は1971年に102万4773人、合計特殊出生率4.54人を記録したのを頂点にその後は減少を続け、昨年は新生児数が35万7700人にまで減り、出生率も1.05人にまで下がった。とりわけ2000年におよそ63万人だった新生児数は02年に49万人とわずか2年で14万人も減ったことは特に大きな注目を集めた。これから4年後に満20歳を迎え、韓国代表になることが期待される若い選手の数が一気に減ったのだ。
スポーツは言うまでもなく20-30代の若者たちに大きく依存する。人口学者として知られるソウル大学保健大学院のチョ・ヨンテ教授は「人口構造から見て人口が一気に減少する年代があるが、これは若者に依存するKポップにも大きな影響を及ぼすだろう」と予想している。スポーツ界も同様だ。非人気種目からまず選手の数が減り、最近はパク・セリ以来最も人気のある種目だったゴルフでさえ登録選手の数が減っているという。