平昌五輪が終わったらリンクを去るだろうと言っていた李相花だが、銀メダルを手にすると「すぐには引退しない」と語った。それには理由があった。
「私と(スピードスケート男子選手の)モ・テボム、李承勲(イ・スンフン)が不人気種目だったスピードスケートの地位を高めたと自負しています。でも、私が引退したら、それだけ選手層が薄くなるじゃないですか。また誰にも関心を持たれない種目になってしまうのが嫌だったんです。私のことを見てスケートを始めた後輩たちのためにも、もっと続けたい。まだ次のシーズンのことは考えていませんが、私の力が続く限り、スケートをしているところをお見せできるでしょう」
李相花に「自身の選手としてのキャリアを500メートルの試合に例えたら、今はどの辺りを滑っていると思うか」と質問した。すると、「最後のコーナーを回ってあと100メートルほど残ったところです。(テーマパーク)ロッテワールドのリンクを滑っていた子どもが思い描いた目標を少しずつかなえて、五輪の歴史に残る選手になったのですから、レース展開としては成功ではないでしょうか」と答えた。
李相花はインタビュー中、かなりの頻度で顔をしかめた。腫瘍がある左膝が痛むという。来シーズンに備えてリハビリを開始し、しばらく休んでいたレゴの組み立てをまた始めたとのことだ。
「家にはまだ開けていないレゴが10箱ほどあります。それを見るたびに胸が躍ります。組み立てなければならないレゴが残っていることほど楽しいことはないと思います。以前は私のことを見ると『あ、李相花だ』という反応が多かったのですが、五輪後は皆さん『お疲れさま』『頑張ったね』と声を掛けてくださいます。今は本当に楽な気持ちでスケートができそうです。レゴも思う存分やりながら」